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エンハンシング効果


目次

エンハンシング効果とは?

エンハンシング効果とは、褒め言葉などの外部からの働きかけ(外発的動機づけ)によって、本人の内側から湧き出る「楽しい」「もっとやりたい」という意欲(内発的動機づけ)が高まる心理現象のことです。「エンハンス(enhance)」は「高める、強化する」という意味を持ちます。

例えば、最初は「お小遣いがもらえるから」という理由で始めたピアノの練習が、先生に「君の音色は本当に素晴らしいね」と褒められているうちに、ピアノを弾くこと自体が楽しくなり、自分から進んで練習するようになる、といったケースがこれにあたります。

お金などの物理的な報酬は、それがなくなるとやる気も失われがちですが(アンダーマイニング効果)、賞賛という言語的な報酬は、人の「認められたい」という欲求を満たし、行動そのものへの価値を見出すきっかけとなるのです。


マーケティング・マネジメントにおける活用事例

エンハンシング効果は、社員のモチベーション向上や組織の活性化を図るために、人材育成やマネジメントの分野で非常に重要視されています。

具体的なマネジメント事例

  • 結果だけでなくプロセスを褒める: 「契約獲得おめでとう」という結果だけでなく、「あの難しい交渉を粘り強く続けた君の努力が、今回の成果に繋がったんだね」と、そこに至るまでの過程や努力を具体的に褒めることで、部下は自分の仕事ぶりを見てくれていると感じ、仕事そのものへのやりがいが高まります。
  • 人前で褒める: 朝礼やチームミーティングなど、他の従業員がいる前で特定の成果を賞賛することで、本人の自尊心が満たされ、モチベーションがさらに向上します。
  • 間接的に褒める(ウィンザー効果の活用): 本人に直接伝えるだけでなく、上司が別の部署のマネージャーに「うちの〇〇君、最近すごく成長したんだよ」と話すなど、間接的に褒める情報が本人の耳に入ることで、「陰でも評価してくれている」という信頼感が生まれ、より強い動機づけに繋がります。

恋愛における活用事例

エンハンシング効果は、パートナーとの関係をより良く、長続きさせるための重要な鍵となります。相手を褒め、認めることで、相手はあなたとの関係に居心地の良さを感じ、さらに魅力的な人間になろうと努力するようになります。

具体的な恋愛事例

  • 具体的な感謝と賞賛を伝える: 「いつもありがとう」だけでなく、「あなたが淹れてくれるコーヒーは、一日の疲れが吹き飛ぶくらい美味しいよ。本当にありがとう」と具体的に褒めることで、相手はその行為自体に喜びを感じるようになり、喜んでもらうためにもっと頑張ろうという気持ちになります。
  • 相手の努力や変化に気づき、言葉にする: 「最近、仕事のために勉強頑張ってるね、本当に尊敬する」「その髪型、すごく似合ってる!センスいいね」など、相手の努力や小さな変化に気づいて言葉にすることで、相手は「自分のことを見て、理解してくれている」と感じ、自己肯定感が高まります。
  • 相手の存在そのものを肯定する: 何かをしてくれたから褒めるのではなく、「〇〇と一緒にいると、本当に心が安らぐ」「あなたがいてくれるだけで幸せだよ」と、相手の存在そのものを肯定する言葉を伝えることで、二人の関係はより深く、揺るぎないものになります。

コメント

エンハンシング効果の本質は、**相手の内なる輝きを引き出す「魔法の言葉かけ」**にあります。

人は誰しも、誰かに認められ、褒められることで、自分でも気づかなかったような力を発揮できるものです。ビジネスシーンでは部下の育成に、そして恋愛ではパートナーとの関係を育むために、このエンハンシング効果を意識したポジティブなコミュニケーションを心がけてみてはいかがでしょうか。

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