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ピーク・エンドの法則


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ピーク・エンドの法則とは?

ピーク・エンドの法則とは、私たちが過去のある出来事を思い出す時、その記憶は、感情が最も高ぶった瞬間(ピーク)と、その出来事の終わり方(エンド)の印象だけで判断されるという心理法則のことです。行動経済学者のダニエル・カーネマンによって提唱されました。

例えば、2時間の映画を観たとして、その満足度は、映画全体の平均的な面白さではなく、「最も感動したシーン(ピーク)」と「結末(エンド)」がどうだったか、という2つの要素でほぼ決定されます。途中に少し退屈な時間があったとしても、クライマックスが最高で、終わり方が感動的ならば、その映画は「最高の映画だった」と記憶されるのです。


マーケティングにおける活用事例

顧客に「最高の体験だった」と感じてもらうために、ピーク・エンドの法則は顧客体験(CX)のデザインにおいて非常に重要視されています。

具体的なマーケティング事例

  • レストランの演出: 食事の最後に、サプライズで美しいデザートプレートや、シェフからの挨拶(エンド)を提供することで、たとえ途中で料理を待つ時間があっても、店全体の満足度は劇的に向上します。
  • テーマパークの体験: アトラクションの最もスリリングな瞬間(ピーク)と、一日の終わりを飾る壮大なパレードや花火(エンド)が、パーク全体の楽しかった記憶を強固なものにします。
  • カスタマーサポート: 顧客からのクレーム対応において、最終的に問題を解決し、丁寧なお詫びと感謝の言葉で電話を切る(エンド)ことができれば、途中の不快なやり取りの印象を覆し、かえって企業のファンになってもらえることさえあります。

恋愛における活用事例

デートや記念日の思い出を、より素敵なものとして相手の記憶に残すために、ピーク・エンドの法則は非常に有効です。

具体的な恋愛事例

  • デートプランの組み立て: デートの計画を立てる際、最も盛り上がるイベント(ピーク)を中盤〜後半に設定し、そして別れ際(エンド)に、心のこもった感謝の言葉や、ちょっとしたサプライズプレゼントを用意します。そうすることで、デート全体が素晴らしい思い出として記憶されます。
  • 記念日の演出: ディナーやプレゼント交換といったハイライト(ピーク)はもちろんのこと、一日の終わりに、手紙を渡したり、ロマンチックな夜景を見に行ったりする(エンド)ことで、その記念日の感動がより一層深まります。
  • 喧嘩の後の仲直り: 喧嘩をして気まずい雰囲気になっても、その日の終わり(エンド)に、しっかりと話し合い、心から謝罪し、愛情表現をすることで、喧嘩というネガティブな出来事も、「最終的には絆が深まった良い一日」として記憶を上書きすることができます。

コメント

ピーク・エンドの法則は、「終わり良ければ総て良し」を科学的に証明したようなものです。私たちの記憶は、全ての出来事を均等に記録しているわけではなく、感情のハイライトを繋ぎ合わせて物語を作っているのです。この法則を理解すれば、ビジネスにおける顧客満足度の向上や、大切な人との思い出作りにおいて、どこに力を注ぐべきかが見えてくるでしょう。

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